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2003.3.13 所属カテゴリ: 鳳凰山 / その他 /

農牛

 観音岳の農牛は、黒い姿をしている。融雪型といわれ、解けた部分が牛になる。頭を低く下げて今にも北に向かって駆け下りそうな躍動感がある。観音岳東面直下のハイマツ帯に積もった雪が周囲より先に解けて黒く見える。山麓の韮崎市などでは5月上、中旬に農牛が現れると、農作業が本格化する目安にしていた。地元では「のうし」と呼んでいる。

 江戸時代の山梨の地誌「甲斐国志」は、「白い農牛」が現れると記述している。しかし例年は黒い牛なので、甲斐国志の記述は間違いとされてきたが、昭和50年代のある年の秋、白い牛が現れた。ハイマツにつもった雪が先に解けたもので、めったには出ないが甲斐国志は間違いではないことが証明された。