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2003.3.13 所属カテゴリ: 鳳凰山 / 登山 / 登山コース・開山祭 /

鳳凰山登山道・夜叉神コース

 鳳凰山登山の代表的なコース。登山道もよく踏まれている。前半は樹林帯だが時折、白峰三山を見渡せる。後半は白砂青松の稜線を歩く。展望も折り紙付きだ。南御室までは、かつて山仕事に使われた生活の道でもあった。
南アルプスNET―鳳凰山登山道・夜叉神コース
【参考タイム】
夜叉神
の森
1:00


0:40
夜叉神
峠小屋
4:40


3:10
南御室
小屋
1:30


1:10
薬師岳
山頂
0:40


0:30
観音岳
山頂
1:00


1:10
赤抜沢
ノ頭
0:10


0:15
賽ノ河原

夜叉神峠登山口
夜叉神峠登山口
 山梨県側の南アルプス林道夜叉神の森が起点。バス停北側から登山道に入る。混交林の中をジグザグに登って高度をかせぐ。窪地を回り込んで小さな鞍部に出ると、十字路になっている。左へ行けば高谷山、真っ直ぐ下ると夜叉神トンネル西の南アルプス林道に出る。右にわずかの急な登りで夜叉神峠となる。白峰三山の展望台。遠く南ア南部の山々も見渡せる。夜叉神峠小屋があり、キャンプ指定地になっている。
(夜叉神の森から約1時間。下り約40分)

 小屋からはササ原をしばらく行って下りとなる。急坂を登り返すと、大崖頭山の西面を行く緩やかな登山道となる。針葉樹林帯をひたすら登る。展望はない。登山道は、杖立峠で右に曲がる。鉄パイプで組み立てた標識がある。樹林が切れて北岳方面の展望が広がる場所に出る。かつての山火事の跡だ。再び樹林帯になり、右から千頭星山からの登山道が合流する。小さな平地で苺平と呼ばれている。このあたりで気が付かないうちに稜線を越え、登山道は西斜面から東斜面に変わる。樹林を下りきると南御室だ。樹林にぽっかりと空いた平地で、南御室小屋が建っている。小屋の東に水がわいている。キャンプ指定地。
(夜叉神峠小屋から約4時間40分。下り約3時間10分)

苺平から南御室小屋へ 南御室小屋
苺平から南御室小屋へ 南御室小屋

 小屋の裏手から急な登り。山腹の右を巻いて行き、稜線に戻ってダケカンバが目立つようになり、ちょっとした坂を越えると、見通しのいい稜線に出る。巨岩が積み重なった砂払岳を越え、下りきった鞍部に薬師岳小屋がある。鞍部はダケカンバやハイマツ、ナナカマドが茂り、それを抜けると花こう岩が風化した白砂の斜面。登り切って薬師岳の頂上となる。東側に巨岩のピークが2つ並ぶ。韮崎側の中道登山道はこの岩峰の間に出てくる。
(南御室小屋から約1時間半。下り約1時間10分)

砂払岳と薬師岳小屋 薬師岳
砂払岳と薬師岳小屋 薬師岳

 ここからは白砂とハイマツや矮小化した天然カラマツの中を行く。ほぼ平らで登り切って観音岳となる。白峰三山、八ケ岳、奥秩父、御坂山系、富士山と、広大な展望が広がる。東斜面のハイマツ帯は、「農牛」と呼ばれる雪形(融雪型)が春に現れる。
(薬師岳から約40分。下り約30分)

観音岳 観音岳からの赤抜沢ノ頭と地蔵ケ岳(右)
観音岳 観音岳からの赤抜沢ノ頭と地蔵ケ岳(右)

 山頂からは一気の下り。岩稜や鎖場がある。一部で登山道の付け替え個所もある。最低鞍部からは再び急登。タカネビランジが目に付く。登り切ったピークが赤抜沢ノ頭で、観音岳から約1時間。(逆コースは約1時間10分)地蔵ケ岳の岩峰が目の前にそびえている。左へ行けば高嶺から早川尾根。右の東側に10分ほど下ると白砂の鞍部。賽の河原と呼ばれ、子授けのお地蔵さんが並んでいる。1体背負って下り、子供が授かったら2体にして返すという。地蔵ケ岳は目の前にあるが、簡単には登ることができない。クライミングの世界だ。2枚の巨岩が合わさった基部までが限度だろう。

賽ノ河原 地蔵ケ岳
賽ノ河原 地蔵ケ岳
※注意
 紹介した登山コースは、あくまで参考です。コースタイムは人によって違いますし、登山道も変化があります。登山前にガイドブックや登山記録を調べ、自分の判断で登山計画をたてて下さい。遭難した場合、捜索が速やかにできるよう登山計画書を登山口で提出して下さい。各登山口にボックスがあります。山小屋でも受け付けます。この南アルプスNETから山梨県警察本部のホームページにリンクすれば、インターネットでも登山届を出すことができます。個人の責任でしっかりとした計画をたて、安全で楽しい登山ができるようお祈りします。