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2022.4.08 所属カテゴリ: 北岳 / 登山 / 登山コース・開山祭 /

北岳登山道・大樺沢コース

【注】令和5年度は大樺沢の登山道は通行禁止

 登山基地広河原から大樺沢に沿って登るコース。バットレス(大岩壁)を仰ぎ、夏は雪渓をたどり、変化に富んでいる。

【参考タイム】
広河原 2:50


2:00
二 俣 2:00


1:00
八本歯のコル 1:00


0:40
北岳山頂

 野呂川広河原インフォメーションセンターの西100メートルの吊り橋を渡ると広河原山荘。インフォメーションセンターとここに登山届のボックスがある。山荘脇から登山道に入る。ウラジロモミ、コメツガ、ブナなどの樹林が続く。ちょっとした湿地(6月にはクリンソウが咲く)を過ぎ、右からの小さな水流を横切って河原状になると、右から小沢が入る。尾根をわずかに登った台地が御池コースとの分岐。左へ樹林の中を行く。えん堤の右を越えて下ると大樺沢の流れに出る。

大樺沢 大樺沢二俣(7月)


 左岸に沿って付けられた登山道をたどる。右からの沢、ガレ場、沢を過ぎると、大きなガレ場に出る。かつてはガレ場に登山道があったが、落石事故を機会に対岸(右岸)に新しい登山道ができた。大樺沢を渡ってミヤマハンノキなどの中を登る。左手から小さな流れが入ってくる。これまでの沢水は飲めないが、ここは飲める。しばらくして大樺沢へ急坂を下る。ロープが張ってあって要注意。再び左岸に渡り、沢をやや離れて広葉樹の中を進むと河原に出る。雪渓とバットレスの展望台だ。雪の多い年は7月に入ってもこの辺から雪渓が続く。左岸の草地をたどると二俣に着く。
(広河原から約2時間50分。下り約2時間)

八本歯ノ頭からの北岳とバットレス

 バットレスの裾を巻く右俣と左俣の流れが合流する場所。合流点の少し下に高さ3、4メートルの巨岩があって目印になる。二俣は絶好の休憩地で北岳ばかりでなく鳳凰山の一部も展望できる。テントサイトにも最適だが、自然保護のため山梨県要綱で幕営は禁止されている。登山シーズン中は仮設トイレが置かれる。ここから北へトラバース気味に行けば白根御池、西へ右俣左岸を登れば草すべりに至る。
 左俣の左岸草地を登る。バットレスが右手上方に迫ってくる。7月上旬なら雪渓が登山道を覆っている。急な登りが続く。グンナイフウロやヤツガタケタンポポなどが目に付く。バットレス側から沢が流れ込む場所で休む登山者を見かけるが、この辺りは落石が恐い。苦しくても休まず、上部二俣までは一気に登り切りたい。
 上部二俣に着いたら左の沢沿いに少し登って右の小尾根に取り付く。取り付き辺りは細い水流があるが飲まない方がいい。急な尾根を登り切ると八本歯のコルの西に出る。突然、視界が開けて正面に大きな間ノ岳が飛び込んでくる。
(二俣から約2時間。下り約1時間)

 コルは北岳から東に延びる池山吊尾根の鞍部。ここから登山道は岩場の登りとなりハシゴが幾つも現れる。両側が切れ落ちているので油断はならない。ここを越えると緩やかな岩石帯となり、北岳山荘へのトラバース道の分岐となる

八本歯ノ頭(大樺沢―北岳) 北岳山頂


 山頂を目指して砂地のジグザグを登ると主稜線の縦走路に出る。小さなコルになっていて風が強い。ザックを置いて頂上往復の場合は、ザックが風に飛ばされないように注意を。右に行けば北岳山頂。鉄柵の急な登りを越え、左がなだらかなお花畑の斜面、右がハイマツの緩やかな岩稜を行けば山頂となる。
(八本歯のコルから約1時間。下り約40分) 

※注意
 紹介した登山コースは、あくまで参考です。コースタイムは人によって違いますし、登山道も変化があります。登山前にガイドブックや登山記録を調べ、自分の判断で登山計画をたてて下さい。遭難した場合、捜索が速やかにできるよう登山計画書を登山口で提出して下さい。各登山口にボックスがあります。山小屋でも受け付けます。この南アルプスNETから山梨県警察本部のホームページにリンクすれば、インターネットでも登山届を出すことができます。個人の責任でしっかりとした計画をたて、安全で楽しい登山ができるようお祈りします。