2021.8.21
芦安山岳館 /
山の中の芦安に「船(ふな)守(もり)地蔵」?
【図書紹介】
『夜叉神峠』芦安村教育委員会・芦安の民話編集委員会編
芦安をめざし、芦安温泉郷の看板を過ぎ、しばらく進むと左に水力発電所が見えます。
ここが新倉地区になります。その右手の高台に小さな祠があります。
ここには「船守地蔵」が安置されています。「船乗り地蔵」とも言われ、舟形の石の台座に乗って、高さ40センチあまりの地蔵が祀(まつ)られています。御勅使川の氾濫に毎年苦しめられてきた人々により、川除(かわよ)けの神として安置されているのです。
船守とは水の神様の事です。洪水のたびに芦倉(あしくら)と安通(あんずい)を結ぶ丸木橋が流されましたので、水の神を祀ったということです。鳳凰山より迎えられたという御影石の神も、嵐から守るといわれ、一緒に祀られています。
今は道路や橋も立派に完成して、渡河(とか)の心配もないので、健康、交通や集落安全の地蔵さんになって、人々の心のよりどころになっているということです。
この他、芦安地区には「夜叉神の一つ目小僧」「お虎御前」「夜叉神のたたり」などいろいろな土地のはなしが残っています。ウォルター・ウエストンの逸話も載っています。
本を読みながら、村内を散策するのも楽しいと思います。 この夏休み、民話にふれてみませんか?