2018.10.11 News /

甲府商山岳部の歌、レコード見つかる 80年前の創部時に制作 電機店が高校に寄贈

 80年以上の歴史がある甲府商高山岳部の歌のレコードが見つかり、発見した丹沢電機(甲府市伊勢1丁目)が同校に寄贈した。歌は昭和初期の創部当時に作られたものとみられるが、現在では歌詞が学校の記念誌に記されているのみで音源は残っていなかった。同校の担当者は「歴史の重みを感じさせる貴重な資料で、レコードが残っていたことに感激」と話している。

 山岳部の歌のレコードは、同社が市内の女性から譲り受けた約50枚のうちの1枚。女性の親族が所有していたものだが、山岳部とのつながりは不明という。保存状態が良く、同じ女性から譲られたぜんまい式の蓄音機で再生することができる。

 1982年度同窓会誌の抜粋として同校の100周年記念誌に掲載された寄稿文によると、山岳部は1930年代に創設。歌も同時期に作られ、山岳部の担当教員が作詞を手掛けたとみられる。6番まであり、四季折々の山の風景と若い部員の姿を表現している。

 80年以上たった現在まで山岳部は続いてきたが、歌は音源や楽譜が残らなかったこともあり、いつしか忘れられた存在となっていた。

 レコードの寄贈は、丹沢始社長が同校に提案。丹沢社長は「会社に置いておくよりも学校で保管する方が良いと考えた」と話していて、今後はレコード音源を録音したCDも贈る。

 9月28日に同校の教員が同社を訪問し、丹沢社長からレコードを受け取った。山岳部顧問の教諭は「現在の部員7人は歌の存在も知らない。部や学校の歴史の重みを感じてもらう良い機会で、大変ありがたい。生徒が歌を聴く場も設けたい」と話している。

 【写真上】蓄音機で山岳部の歌を聴く甲府商高の教員ら=甲府市伊勢1丁目
 【写真下】「甲商山岳部の歌」のレコード

 (山梨日日新聞 2018年10月10日付)

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