残雪、登山道覆う 観光スポット寸断 県内 通行禁止で客足減の懸念
ゴールデンウイーク(GW)を迎え、行楽客の増加が見込まれる山梨県内の一部の渓谷や山で、残雪によって登山道やトレッキングコースが利用できない状態が続いている。2月の記録的な大雪の後、雪解けが進まなかったためで、雪が残る区間にロープが張られ、通行禁止となった登山道も。地元関係者は「GW期間にこれほど雪が残っているのはかつてない」と口をそろえ、周辺の観光施設では観光客の減少を懸念する声も出ている。
毎年4月29日に山開きを迎える山梨市の西沢渓谷は、新緑を楽しもうと県内外から多くの人が訪れる人気の行楽スポット。しかし今年は2月の大雪の影響で、登山道にはいまだ多くの雪が残っている。雪崩が起きている場所もあり、多いところでは2メートルの積雪があるという。
登山道を管理する市や県は今月に入り、登山道の状況を調査。大型連休に向け、雪を撤去するなどの作業を進めたが、登山者の安全確保を図るため、山開き時には1周10キロの登山コースの半分以上を通行禁止にすることにした。今のところ、全面開通のめどは立たないという。
西沢渓谷ガイドの会の佐藤一亜喜会長(75)は「この時期にここまで雪が残っているのはかつてない」と話す。「多くの人が渓谷を訪れるシーズンに全面開通できず残念な気持ちもあるが、登山客の安全を守ることが一番大切」
全面開通できないことで、客足の減少を心配する声も。西沢渓谷入り口近くにある「道の駅みとみ」では、例年山開き後に訪れる人が増えるという。施設は2月の大雪後、近くの国道が1カ月近く通行止めとなり、買い物客が大きく減少したといい、担当者は「登山道が全面開通しないことで、山開き後もお客さんが増えないと、ダメージが大きい」との懸念を示す。
一方、南アルプス市と富士川町にまたがる櫛形山でも、大雪の影響で登山口につながる県営林道池の茶屋線の通行止めが続いている。GWは例年、林道は雪がなくなっていて、今年は異例だという。
櫛形山では市が昨夏、遊歩道を造ったり、展望台を設けたりして池の茶屋登山口からスタートする全長5.5キロのトレッキングルートを整備したばかり。初めての春を迎えたが、いつ利用できるかは不透明だ。市観光商工課の担当者は「自然のことなので仕方ないが、せっかく整備したトレッキングコースを使ってもらうことができないのは残念」と話す。
北杜市白州町の尾白川渓谷でも渓谷道の一部に残った雪が凍り、解けにくい状況が続いている。市は観光客らが滑落する恐れがあるとして、途中にバリケードを設置し、ルートの一部を通行止めにしている。完全な雪解けは5月下旬以降になる可能性があるという。
(2014年4月29日付 山梨日日新聞)
毎年4月29日に山開きを迎える山梨市の西沢渓谷は、新緑を楽しもうと県内外から多くの人が訪れる人気の行楽スポット。しかし今年は2月の大雪の影響で、登山道にはいまだ多くの雪が残っている。雪崩が起きている場所もあり、多いところでは2メートルの積雪があるという。
登山道を管理する市や県は今月に入り、登山道の状況を調査。大型連休に向け、雪を撤去するなどの作業を進めたが、登山者の安全確保を図るため、山開き時には1周10キロの登山コースの半分以上を通行禁止にすることにした。今のところ、全面開通のめどは立たないという。
西沢渓谷ガイドの会の佐藤一亜喜会長(75)は「この時期にここまで雪が残っているのはかつてない」と話す。「多くの人が渓谷を訪れるシーズンに全面開通できず残念な気持ちもあるが、登山客の安全を守ることが一番大切」
全面開通できないことで、客足の減少を心配する声も。西沢渓谷入り口近くにある「道の駅みとみ」では、例年山開き後に訪れる人が増えるという。施設は2月の大雪後、近くの国道が1カ月近く通行止めとなり、買い物客が大きく減少したといい、担当者は「登山道が全面開通しないことで、山開き後もお客さんが増えないと、ダメージが大きい」との懸念を示す。
一方、南アルプス市と富士川町にまたがる櫛形山でも、大雪の影響で登山口につながる県営林道池の茶屋線の通行止めが続いている。GWは例年、林道は雪がなくなっていて、今年は異例だという。
櫛形山では市が昨夏、遊歩道を造ったり、展望台を設けたりして池の茶屋登山口からスタートする全長5.5キロのトレッキングルートを整備したばかり。初めての春を迎えたが、いつ利用できるかは不透明だ。市観光商工課の担当者は「自然のことなので仕方ないが、せっかく整備したトレッキングコースを使ってもらうことができないのは残念」と話す。
北杜市白州町の尾白川渓谷でも渓谷道の一部に残った雪が凍り、解けにくい状況が続いている。市は観光客らが滑落する恐れがあるとして、途中にバリケードを設置し、ルートの一部を通行止めにしている。完全な雪解けは5月下旬以降になる可能性があるという。
(2014年4月29日付 山梨日日新聞)