春の登山、残雪に危険潜む 注意点を専門家がアドバイス 雨天時は雪崩の危険/冬山装備忘れずに
春山のシーズンを迎え、県内でも、山登りを楽しみにしている人も増えているだろう。一方、大月市と都留市にまたがる鶴ケ鳥屋山では3月、凍結した雪道から滑落したさいたま市の女性が亡くなる事故が起きるなど、山には危険も潜んでいる。県山岳連盟会長の古屋寿隆さん(63)は「今年は2月の大雪の影響で、山には多くの雪が残る。登山の際は例年以上に注意が必要だ」と話している。
「こんなに多くの雪が残っているなんて初めてだった」。3月下旬に櫛形山(標高2052メートル)に登った北杜市内の会社員男性(32)は、山頂周辺に残っていた1.5メートルほどの雪に驚いた。この時季には多くても30センチほどの雪しかない場所だと話す。
計画書は必ず提出
古屋さんによると、例年県内の山には、春になっても5~10センチの残雪があるという。しかし、「今年は30~50センチ残っていても不思議ではない。甲府盆地から白く見える山には、最低でも20~30センチの雪が残っていると考えた方がいい」と注意を呼び掛ける。標高2千メートルを超える山では特に注意が必要になるという。雪が多く残っている場所に雨が降ると、雪崩の危険も高まる。
この時季は山の麓では雨が降っていても、標高が高い場所ではみぞれや雪が降り「春山ではなく冬山」の状況になることも考えられるため、古屋さんは雪山装備を勧める。具体的には、アイゼンやピッケル、ツエルト(非常用テント)、体を包むレスキューシートなどを挙げる。「アイゼンは爪が4本、6本の夏山用ではなく、10本、12本ある雪山用が必要。手すりや救助用として使えるロープもあるといい」とアドバイスする。
万が一のとき、捜索の手がかりとなる登山計画書は必ず提出する。しっかりとした計画書を作成することは、登山コースの確認や危険箇所のチェックなど「予習」となる面もある。
基本の徹底不可欠
最近は、山中でも携帯電話などを使用できる地域が広がり、救助を求めたり、インターネットなどを利用して情報を確認することができるようにもなった。しかし「電波が入りにくい場所はある」ことを頭に入れ、慎重な行動も必要だ。
(1)余裕のある計画に基づく行動(2)単独登山は避け、経験豊富なリーダーなどと登る(3)気象情報のチェック(4)健康管理に注意する-といった基本の徹底はもちろん不可欠だ。古屋さんは「山での判断ミスは命に関わる。少しでも不安に感じたら、引き返したり、登山を中止することが必要だ」と呼び掛けている。
(2014年4月1日付 山梨日日新聞)
「こんなに多くの雪が残っているなんて初めてだった」。3月下旬に櫛形山(標高2052メートル)に登った北杜市内の会社員男性(32)は、山頂周辺に残っていた1.5メートルほどの雪に驚いた。この時季には多くても30センチほどの雪しかない場所だと話す。
計画書は必ず提出
古屋さんによると、例年県内の山には、春になっても5~10センチの残雪があるという。しかし、「今年は30~50センチ残っていても不思議ではない。甲府盆地から白く見える山には、最低でも20~30センチの雪が残っていると考えた方がいい」と注意を呼び掛ける。標高2千メートルを超える山では特に注意が必要になるという。雪が多く残っている場所に雨が降ると、雪崩の危険も高まる。
この時季は山の麓では雨が降っていても、標高が高い場所ではみぞれや雪が降り「春山ではなく冬山」の状況になることも考えられるため、古屋さんは雪山装備を勧める。具体的には、アイゼンやピッケル、ツエルト(非常用テント)、体を包むレスキューシートなどを挙げる。「アイゼンは爪が4本、6本の夏山用ではなく、10本、12本ある雪山用が必要。手すりや救助用として使えるロープもあるといい」とアドバイスする。
万が一のとき、捜索の手がかりとなる登山計画書は必ず提出する。しっかりとした計画書を作成することは、登山コースの確認や危険箇所のチェックなど「予習」となる面もある。
基本の徹底不可欠
最近は、山中でも携帯電話などを使用できる地域が広がり、救助を求めたり、インターネットなどを利用して情報を確認することができるようにもなった。しかし「電波が入りにくい場所はある」ことを頭に入れ、慎重な行動も必要だ。
(1)余裕のある計画に基づく行動(2)単独登山は避け、経験豊富なリーダーなどと登る(3)気象情報のチェック(4)健康管理に注意する-といった基本の徹底はもちろん不可欠だ。古屋さんは「山での判断ミスは命に関わる。少しでも不安に感じたら、引き返したり、登山を中止することが必要だ」と呼び掛けている。
(2014年4月1日付 山梨日日新聞)