凍る滝 35メートルの氷壁に挑む 南ア
山梨県内で凍り付いた滝を登るアイスクライミングが本格的なシーズンを迎えている。厳寒の自然に挑戦しようと、山岳会メンバーとともに南アルプス山脈の「氷瀑(ひょうばく)」を訪ねた。
1月下旬、南アルプス市芦安の御勅使川上流にある滝は、高さ約35メートル、最大傾斜約85度の「氷の壁」となっていた。通称「トリコルネ」。韮崎市の山岳会・白鳳会の亀田博生さん(39)は、腰にロープを、登山靴にアイゼンを付け、アイスバイル(氷専用のピッケル)を両手に「壁」に取り付く。アイスクライミング歴15年。踊っているかのように滑らかに登っていく。
順番が回ってきた。装備を整え、同会メンバーの指導を受けながら登っていく。地上20メートルほどの場所で体が止まった。どう動けばいいのか悩んでいると、「右足を上げろ」と下から大声が響いた。再びアイゼンを蹴り込み、アイスバイルを打ち込んだ。途中、体力が尽きて何度か休みながらも、何とか登り切った。
そそり立つ氷壁を“制覇”した達成感は格別だった。敷居の高そうなスポーツだが、近年はプロのガイドによる体験教室が増え、手軽に楽しめるようになりつつあるという。
【写真】35メートルの高さまで凍り付いた滝を登るクライマー。登る際はロープを付け、他のメンバーがサポートに入る=南アルプス市芦安
(山梨日日新聞 2014年2月7日付)
1月下旬、南アルプス市芦安の御勅使川上流にある滝は、高さ約35メートル、最大傾斜約85度の「氷の壁」となっていた。通称「トリコルネ」。韮崎市の山岳会・白鳳会の亀田博生さん(39)は、腰にロープを、登山靴にアイゼンを付け、アイスバイル(氷専用のピッケル)を両手に「壁」に取り付く。アイスクライミング歴15年。踊っているかのように滑らかに登っていく。
順番が回ってきた。装備を整え、同会メンバーの指導を受けながら登っていく。地上20メートルほどの場所で体が止まった。どう動けばいいのか悩んでいると、「右足を上げろ」と下から大声が響いた。再びアイゼンを蹴り込み、アイスバイルを打ち込んだ。途中、体力が尽きて何度か休みながらも、何とか登り切った。
そそり立つ氷壁を“制覇”した達成感は格別だった。敷居の高そうなスポーツだが、近年はプロのガイドによる体験教室が増え、手軽に楽しめるようになりつつあるという。
【写真】35メートルの高さまで凍り付いた滝を登るクライマー。登る際はロープを付け、他のメンバーがサポートに入る=南アルプス市芦安
(山梨日日新聞 2014年2月7日付)