リニア電磁波めぐり意見交換 中央でシンポ

 リニア中央新幹線の課題について意見を交わす「リニアシンポジウム」(同実行委主催)が19日、中央市玉穂生涯学習館で開かれた。出席者からは、リニア建設が南アルプスの国連教育科学文化機関(ユネスコ)エコパーク登録活動などに与える影響を懸念する声が上がった。

 県内外から約130人が出席。電磁波による健康被害の問題に取り組む市民団体・ガウスネットの懸樋哲夫代表が、小児白血病などのリスクが高まるとされる磁界とリニアの関係について講演した。

 JR東海はリニアの磁界を「推進力の変化による緩やかな変化以外はない」とするが、懸樋代表は車内各所での磁界の実測値を周波数別に明らかにしていない点を批判。「中国の上海リニアのように公表するべきだ」と語った。

 出席者を交えた意見交換では、「エコパーク登録を進める南アルプスにトンネルを通すことは自然保護の観点と矛盾する」「リニアは大都市部をつなぐため(人口が流出する)ストロー現象を促すことになるとしか思えない」などの声が出た。

 甲府、中央、笛吹、南アルプス、富士川の沿線5市町の議員も出席。リニア建設による日照や農作物への影響への不安を口にした。

 【写真】リニア建設の懸念について意見を交わしたシンポジウム=中央市玉穂生涯学習館

 (山梨日日新聞 2014年1月20日付)

月別
年別