南アルプスエコパーク登録へ合意10市町村、熱意アピール
南アルプス世界自然遺産登録推進協議会に参加する山梨、長野、静岡3県の10市町村は17日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)が認定するエコパーク(生物圏保存地域)登録に向け、基本合意を交わした。ユネスコや国に登録への熱意をアピールする狙いがあり、年度内には関係市町村の合議機関となる地域協議会設立に向け準備会を設置することも確認した。
10市町村は南アルプスの世界自然遺産登録へのステップにするためエコパーク登録を目指していて、4月に申請書案を文部科学省に提出した。この日に南アルプス市内で行った基本合意の締結式では、登録実現後に自然保護などの理念を掲げた憲章を策定し、関係市町村の共同出資でエコパークを管理する組織をつくることなどを確認した。
地域協議会の準備会は観光業者なども交えて設置することや、登録条件の一つとなっている基幹管理事務所を南アルプス市芦安山岳館に置くことも決めた。
同協議会のエコパーク推進部会事務局によると、10市町村にわたる広いエリアの登録は前例がない。参加市町村の足並みをいかにそろえるかが課題となるため、部会長を務める中込博文南アルプス市長は「今回の合意は登録に向けた強力な一歩」と話していた。
ユネスコエコパーク 手つかずの自然の保護を原則とする世界自然遺産と異なり、生態系の保全と一定の経済活動などの両立を目指す地域として、ユネスコが認定する。1976年から登録が始まり、2012年7月時点で117カ国、610地域が指定されている。
(山梨日日新聞 2013年8月18日付)