南アルプスに3県またぐ周回遊歩道 日本最大600キロ想定 世界遺産登録めざし検討

 南アルプスの世界自然遺産登録を目指す山梨、長野、静岡3県の10市町村でつくる南アルプス世界自然遺産登録推進協議会は18日、北杜市甲斐駒センターせせらぎで総会を開いた。今後、3県にまたがる南アルプスの周回遊歩道「南アルプストレイル」の設置について検討していくことを決めた。

 トレイル設置は、同協議会副会長を務める南アルプス市の中込博文市長が提案した。中込市長は「トレイルは約600キロを想定している。世界自然遺産登録への住民の機運を高め、10市町村の登録へ向けての足並みをそろえる狙いがある」と訴えた。

 中込市長の構想では、トレイルは10市町村全てを通過し、ルートは各市町村が決定。現在ある登山道や道路を活用し、必要な部分は新たな道路や看板を整備する。

 これに対し、協議会メンバーからは「完成すれば日本で最大規模となり、世界にもアピールできる」との賛成意見が出る一方、「各市町村への経済的なメリットを丁寧に示す必要がある」という慎重論もあった。今後も継続して設置の実現性を探っていくことを確認した。

 このほか、貴重な地形や地質が楽しめるジオパーク登録実現に向け、ジオパーク推進部会内に登録検討委員会を設置して体制を充実させることを決定。検討委ではエリアの保護策や活用策などを検討していく。

 【写真】南アルプスを周回するトレイル設置を提案する中込博文南アルプス市長=北杜市甲斐駒センターせせらぎ

 (山梨日日新聞 2013年5月19日付)

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