ライチョウ親子伸び伸び 南ア・鳳凰三山、30年ぶり繁殖確認
国の天然記念物で、レッドデータブックで絶滅危惧種に指定されているライチョウが、南アルプス・鳳凰三山で繁殖していることが確認された。鳳凰三山の山小屋関係者が親鳥とひなの写真撮影に成功した。鳳凰三山でライチョウの繁殖が確認されるのは約30年ぶり。関係者は「定着して毎年繁殖する状況になれば、個体数増加につながる」と期待している。
鳳凰三山の南東に位置する南御室小屋の従業員、長谷川文さん(41)が9日午前11時ごろ、稜線(りょうせん)の登山道付近にいる親鳥1羽と、ひな2羽を写真に収めた。親鳥は砂浴びをしていて、ひなは親鳥の周囲を元気に歩き回っていたという。生息分布域を把握するために捕獲したライチョウに着けている足輪はしておらず、どこから飛来したかは分かっていない。
1983年に信州大が行った生息分布調査以降、鳳凰三山での繁殖は確認されていなかった。ライチョウの生息分布などに詳しい山梨大の中村司名誉教授によると、鳳凰三山は繁殖の際に卵を産み付けるハイマツ帯が少ないため、「個体数の減少に伴って、ハイマツが群生している北岳や仙丈ケ岳などを繁殖地として選ぶようになった」という。
南アルプス市などによると、ライチョウの個体数は分かっておらず、最近は南アルプスの北岳、仙丈ケ岳、甲斐駒ケ岳で目撃情報がある。長谷川さんは「久しぶりに鳳凰三山でライチョウの繁殖が確認されて良かった。繁殖環境を守っていくためにも、追い回したり、山にペットを連れていくなどの行為は控えるよう呼び掛けたい」と話していた。
【写真】南アルプス・鳳凰三山の稜線付近で確認されたライチョウの親子
(2012年7月10日付 山梨日日新聞)
鳳凰三山の南東に位置する南御室小屋の従業員、長谷川文さん(41)が9日午前11時ごろ、稜線(りょうせん)の登山道付近にいる親鳥1羽と、ひな2羽を写真に収めた。親鳥は砂浴びをしていて、ひなは親鳥の周囲を元気に歩き回っていたという。生息分布域を把握するために捕獲したライチョウに着けている足輪はしておらず、どこから飛来したかは分かっていない。
1983年に信州大が行った生息分布調査以降、鳳凰三山での繁殖は確認されていなかった。ライチョウの生息分布などに詳しい山梨大の中村司名誉教授によると、鳳凰三山は繁殖の際に卵を産み付けるハイマツ帯が少ないため、「個体数の減少に伴って、ハイマツが群生している北岳や仙丈ケ岳などを繁殖地として選ぶようになった」という。
南アルプス市などによると、ライチョウの個体数は分かっておらず、最近は南アルプスの北岳、仙丈ケ岳、甲斐駒ケ岳で目撃情報がある。長谷川さんは「久しぶりに鳳凰三山でライチョウの繁殖が確認されて良かった。繁殖環境を守っていくためにも、追い回したり、山にペットを連れていくなどの行為は控えるよう呼び掛けたい」と話していた。
【写真】南アルプス・鳳凰三山の稜線付近で確認されたライチョウの親子
(2012年7月10日付 山梨日日新聞)