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建て替え工事が進められている南アルプス・北岳の北側にある北沢駒仙小屋で、剣や「猟銃」が見つかった。剣=写真=は山岳信仰にまつわる遺物とみられる。山岳関係者は文化財としての価値があるとみており、南アルプス市教委が調査を進めている。 剣と猟銃は11月中旬、それぞれ棚の裏や床下から見つかった。 同市教委文化財課によると、剣は山岳信仰や雨乞いのために山に奉納されたと考えられるという。長さ約30センチ、厚さ約3ミリ、重さ280グラムほどで表面には「奉納」などの文字が刻印されていた。 銃は旧陸軍最初の制式銃「村田銃」の一種とみられ、北沢峠周辺の開拓者として知られ、1930(昭和5)年に小屋を建てた竹沢長衛が、猟銃として使用していた可能性が高い。南アルプス署が鑑定を進めている。 南アルプス市芦安山岳館の塩沢久仙館長は、「南アルプスの歴史を知るための重要な資料になる可能性が高い」と話している。 北沢駒仙小屋は96年に旧芦安村に譲渡された。町村合併後は南アルプス市の直営となり、2006年にNPO法人芦安ファンクラブに管理が委託された。老朽化から建て替えが決まり、新しい小屋は2013年度供用開始を目指している。 (2011年12月9日付 山梨日日新聞)