リニア「自然に配慮を」 南アルプス市議会 国に意見書提出へ

 南アルプス市議会は、リニア中央新幹線建設について、工事の際に南アルプスの自然環境に十分な配慮を求めることなどを盛り込んだ意見書を国に提出することを決めた。南アルプスの世界自然遺産登録を目指す動きが進む中、南アルプスを貫通するトンネル工事が動植物の生態系や景観に悪影響を及ぼすことを懸念している。

 意見書では、リニア建設工事によって南アルプスの自然環境が破壊され、動植物の希少種が絶滅する可能性があることを指摘。(1)南アルプスの美しい景観や、動植物の生態系が失われないように十分配慮すること(2)表流水や地下水に変化が生じないように十分配慮すること(3)地震などの災害から生命を守るために耐震の一層の強化と避難ルートを確保すること-を強く要望するとしている。

 意見書は石川寿議員(新生アルプス)が議員発議で提出。9月29日の9月定例市議会本会議で賛成21、反対2の賛成多数で可決された。環境大臣と国土交通大臣に近日中に提出する。石川議員は「南アルプスの自然環境や山岳観光に悪い影響が出る可能性がある。地下水脈への影響も考えられるため、十分な調査を行った上で自然環境に配慮した工事を求めたい」と話している。

 (2011年10月4日付 山梨日日新聞)

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