西郡のぼこんとう 850点で戦後たどる 南ア教委 文化伝承館で企画展

めんこやゲーム機など昭和から平成期に人気があった玩具=南アルプス・ふるさと文化伝承館

1951年に当時の小学生が書いた絵日記=南アルプス・ふるさと文化伝承館

■子育て、遊びの変化紹介

 南アルプス市教委は、同市野牛島の市ふるさと文化伝承館で、企画展「にしごおりのぼこんとう(西郡の子どもたち)展」を開いている。戦後の昭和期を中心に子育てに使われた道具や玩具など約850点を展示。担当者は「出産や教育、遊びなどがどのように変化しているのか見比べてほしい」と話している。

 展示しているのは、汗止めパウダーや揺り籠、特撮ヒーロー「ウルトラマン」の人形など、子育てに使われていた道具や玩具。おひつに入れたコメを保温する、わらで編んだ入れ物「いづめ」は、乳児を入れるためにも使用していたことも紹介している。
 1951年6月16日~7月1日に、旧野之瀬小(現櫛形西小)3年の女子児童が書いた絵日記も展示。農繁期休みで、児童が風呂を沸かしたり、麦こきをしたりと農業や家事を手伝っていたことが絵とともに記されている。このほか、羽子板やめんこ、ゲーム機「ニンテンドーDS」といった昭和から平成までの子どもが遊んだおもちゃも並んでいる。
 展示は、過去の記憶をさかのぼることで認知症の予防や症状改善に効果があるとされる「回想法」にも役立つとしている。中山誠二館長は「来館者が孫に展示品の使い方を教える姿があった。会話が生まれるきっかけになればいい」と話している。
 5月14日まで。同30日~8月27日は後期展示として、戦後80年に合わせた内容に変更する。木曜休館(木曜が祝日の場合は翌日休館)。午前9時半~午後4時半。入館無料。

(山梨日日新聞 2025年3月5日掲載)

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