櫛形山のアヤメ 保護策探る11日、南ア市とNPO法人がシンポ自然の復元テーマに

南アルプス市と市内のNPO法人などでつくる「櫛形山ネットワーク」は11日、同市櫛形生涯学習センターあやめホールで、櫛形山シンポジウムを開く。アヤメの開花数が激減している櫛形山の自然環境を復元していくことをテーマに、初めて企画。保全対策や山の今後の在り方について考える。

櫛形山は2006年から、シカやイノシシの食害、踏み荒らしなどによってアヤメの開花数が激減。07年にはほとんど咲かなくなり、1972年から35年間続いていた「アヤメ祭り」も開かれなくなった。全盛期には株数約2900万本、花の数約320万個と推定されていたが、アヤメが咲かなくなったこともあり、登山者の数も減少しているという。

市や櫛形山ネットワークでは、07年にアヤメを守ろうと食害防止ネットを設置。10年にはネットの中で約40本のアヤメが開花した。

シンポジウムでは南アルプスの高山植物を研究している静岡大の増沢武弘特任教授による基調講演やパネルディスカッションを予定。櫛形山の現状と保全対策について考える場とする。市みどり自然課は「アヤメが激減している現状を多くの人に知ってほしい。保全対策や山の今後の在り方についても考えてほしい」としている。

シンポジウムは午後1時半開始。入場無料。問い合わせは市みどり自然課、055(282)7259。

(2011年6月8日付 山梨日日新聞)

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