廃油燃料の地域バス増車 南アルプス市 2台で本格運行 広河原-北沢峠路線バスへの導入検討

 南アルプス市地域公共交通活性化協議会は、天ぷら油などの廃食油を原料にしたバイオディーゼル燃料(BDF)を使用するコミュニティーバスを1台増やし、本格運行を始めた。温暖化対策の一環で、1台当たりの二酸化炭素(CO2)排出量を1カ月で約2トン抑制することができる。

 市では昨年度からBDFを使ったコミュニティーバスを試験的に1台導入。ガソリンの高騰などを受け、本年度から1台増やし、本格運行することを決めた。2台は市内を発着点にJR中央線竜王、塩崎の両駅とJR身延線小井川駅までの3路線で運行。BDFは冬季に凍結の不安があるため、バスの燃料に使うのは11月下旬まで。

 市地球温暖化対策室によると、市では2007年度から一般家庭の廃食油の回収を開始し、不法投棄などを監視する車両に利用。昨年度からは市内のNPO法人と連携し、市内の一般家庭から年間約千リットルの廃食油を回収している。ただ市内回収分では2台分の燃料を賄えないため、不足分は購入している。

 市では今後、広河原と北沢峠を結ぶ路線バスへのBDFの導入を検討。同室は「多くの人に利用してもらい、温暖化抑止につなげていきたい」としている。

 (2011年5月26日付 山梨日日新聞)

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