市ふるさと文化伝承館 展示空間3Dデータ化 ネットで閲覧 詳細情報も

バーチャルミュージアムで見られる企画展の画面

鋳物師屋遺跡から出土した土器。360度見ることができる

 南アルプス市教委は、3D計測した市ふるさと文化伝承館(同市野牛島)の館内や展示品を、インターネットで無料で閲覧できる「市ふるさと文化伝承館 バーチャルミュージアム」を公開した。画面上で館内を歩くように進み、カメラの画角を360度操作できるほか、クリックして展示に関する詳しい情報を見ることもできる。市教委文化財課の担当者は「3Dで動かしながら、普段とは違う目線で展示について理解を深めてほしい」と話している。

 展示スペースに限りがある中、さまざまな企画展が終了した後や休館日もネットで気軽に閲覧できるようにしようと企画。公立小松大次世代考古学研究センター(石川県)と産業技術総合研究所(茨城県)が協力し、7月から試験公開している。
 同課は2011年、市内の遺跡や史跡の案内板にQRコードを添付し、読み取ることで詳細な情報を得られるサイト「文化財Mなび」を開始。バーチャルミュージアムでは自分で操作して館内を進み、各展示に表示されたポイントをクリックすると、関連する「文化財Mなび」のページに移り、詳しい説明文や写真を見ることができる。土器の底など普段は見られない部分を確認できる3D画像もある。
 また、12月中旬まで開催中の企画展「てっすげえじゃんけ! 桝形堤防、将棋頭、石積出」のコーナーに特化した館内の画面や、同市有野の現地を3D計測した画面にもアクセスできる。企画展終了後も閲覧することができ、今後も順次情報を更新していくという。

(山梨日日新聞 2024年9月12日掲載)

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