南アエコパーク登録10年で意見交換 自然と人間社会共生探る
南アルプスの国連教育科学文化機関(ユネスコ)エコパーク登録10周年を記念したトークイベントが24日、東京エレクトロン韮崎文化ホールで開かれた。プロアドベンチャーレーサー田中陽希さんによる記念講演や、自然との共生をテーマにしたパネルトークなどがあった。
田中さんは、日本三百名山など301座を人力のみで連続踏破する「ひと筆書き」を達成。「チャレンジする心」と題した講演で、「人は机上の知識ではなく、豊富な実体験が大切」と強調し、「結果を恐れず、自分の意思で一歩を踏み出す勇気を持ってほしい」と話した。北岳や櫛形山、鳳凰三山など、南アルプスの山を登った際に撮った写真も紹介した。
田中さんのほか、韮崎市在住のプロトレイルランナー山本健一さん、南アルプス邑野鳥公園(早川町)の大西信正所長らを交えたパネルトークも実施。エコパークが自然と人間社会の共生を目指す地域と位置づけられていることを踏まえ、自然を守るだけでなく、どう活用していくべきかなど意見を交わした。
南アルプス、韮崎、北杜、早川の4市町でつくる「南アルプスユネスコエコパーク県連絡協議会」が企画。同日は4市町が取り組んでいる小学生を対象にした校外学習や環境保全活動について、各首長による内容紹介もあった。
(山梨日日新聞 2024年8月26日掲載)