南アルプス市立美術館 こびとづかんの世界展 原画で見る身近な不思議

 不気味な顔に全身タイツを身につけたようないでたちで、草むらや木陰からひょっこりと顔をのぞかせる「コビト」。一度見ると忘れられない強烈な印象のコビトたちの、不思議で身近な世界に入り込める展覧会「なばたとしたか こびとづかんの世界展」が20日から、南アルプス市立美術館で開かれる。
 こびと研究家でイラストレーターのなばたとしたかさんが描く絵本「こびとづかん」シリーズは2006年に初めて刊行された。主人公の男の子がおじいちゃんから「世の中にはいろんなコビトが生息している」と聞き、「づかん」を片手に草むらや森の中で昆虫でも植物でもない不思議な生き物コビトを見つけていく。
 これまでに絵本をはじめ、数十種類のコビトの名前や生態、捕獲方法などを記した「大百科」や「観察入門」などを発売。11冊の累計は300万部に上る。
 展覧会では、「こびとづかん」シリーズの原画のほか、制作過程が垣間見えるスケッチや試作本、なばたさん自身が制作したコビトのフィギュア、なばたさんが過去に描いたタブロー作品など約200点を紹介する。
 何もないところでつまずいたり、パソコンの画面が急にフリーズしたり。日常ふと感じる不思議な気配や現象に出くわしたら、そこには、コビトがいるのかもしれない。同美術館内でも、どこかにひそかに隠れているこびと探しが楽しめるという。
 展覧会は9月29日まで。月曜(祝日の場合は翌日)休館。高校生以下無料。問い合わせは同美術館、電話055(282)6600。

◆「コビトの絵」大募集!
 南アルプス市にいてほしいコビトを自由に描いて、南アルプス市立美術館に郵送か持参で応募する。対象は年中~小学6年。作品は美術館内に展示するほか、なばたとしたかさんらが審査し、上位入賞者には記念品を贈呈。応募用紙は美術館ホームページからダウンロード可。31日必着。

◆こびとスタンプラリー
 南アルプス市内の対象施設(ふるさと文化伝承館・安藤家住宅・芦安山岳館・市内の図書館)でスタンプを集めて美術館に持って行くと、オリジナルこびと缶バッジ作りができる。

(山梨日日新聞 2024年7月17日掲載)

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