南アルプスエコパーク10年「自然との共生」次代へ

エコパークに登録されて10年を迎えた南アルプス。左手前は甲斐駒ケ岳、右奥は右から間ノ岳、北岳=山日YBSヘリ「ニュースカイ」(NEWSKY)から

 山梨、長野、静岡3県10市町村にまたがる南アルプスが国連教育科学文化機関(ユネスコ)の生物圏保存地域「エコパーク」に登録されて、12日で10年となった。標高が国内2位の北岳(3193メートル)、3位の間ノ岳(3190メートル)などの高峰があり、ライチョウやキタダケソウなどの希少な動植物が生息する地域となっている。
 南アルプスは2014年6月12日、ユネスコエコパークに登録され、「自然と人間社会の共生」を理念に掲げる。地域の豊かな生態系や生物多様性を保全し、自然に学ぶとともに文化的、経済・社会的に持続可能な発展を目指す取り組みを実施している。
 10市町村は16年、「南アルプス自然環境保全活用連携協議会」を設置。現在は2カ月に1回、自治体が持ち回りで協議会を開催し、絶滅が危惧されるライチョウの保護や、ニホンジカの食害対策などの取り組みについて情報共有している。
 南アルプス、韮崎、北杜、早川の4市町でつくる「南アルプスユネスコエコパーク県連絡協議会」の会長を務める金丸一元南アルプス市長は、「10年間でエコパークの認知度は地域住民に浸透しつつある。次の10年に向けて、理念を継続して活動していきたい」と話した。

(山梨日日新聞 2024年6月12日掲載)

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