横川流域 浸水対策を強化
県「特定都市河川」指定へ

 山梨県は本年度、富士川水系の1級河川・横川(南アルプス市)流域の5河川について、河川沿いの浸水対策を強化する「特定都市河川」の指定に向けた検討を始める。特定都市河川は河川改修工事などで国の補助を得やすく、民間企業による対策施設の整備にも国の補助が受けられる一方、一定規模の開発に規制がかかる。地元の理解が不可欠で、県は関係者との調整を図り、早ければ来年に指定する方針。指定されれば県内で初めて。
 県治水課によると、対象は横川の他、油川、八糸川、西川、清水川。横川流域では2022年12月に県や南アルプス市などが流域の治水対策アクションプランを策定。県はプランの実効性を高めるため、特定都市河川の指定を目指す。
 今後、市と検討会を設置し、指定に向けた課題などを協議。各河川名で指定するか、5河川を横川流域として指定するかも議論する。県は横川、濁川、鎌田川、新名庄川の4流域をモデル流域として先行してプラン策定を進め、最も早くプランが整った横川で指定の検討に入る。
 県は早ければ25年に特定都市河川に指定し、その後、流域の水害対策計画の検討と策定をする。特定都市河川への指定で行政や企業、住民が参加して地域全体で対策を講じる「流域治水」の促進につなげたい考え。
 特定都市河川は浸水被害が発生する恐れがある河川やその流域を対象に、国や県が指定する。国土交通省によると、5月28日時点で、全国で24水系327河川が指定されている。

(山梨日日新聞 2024年6月4日掲載)

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