「塔博士」の功績伝える 南アで内藤多仲展遺品や写真、本など100点
中巨摩郡榊村(現南アルプス市曲輪田)出身で、東京タワーなどを設計した建築家内藤多仲(1886~1970年)の功績を紹介する企画展が、同市櫛形生涯学習センター市ふるさと人物室で開かれている。内藤の遺品や写真など約60点が並び、著書や内藤について書かれた本約40冊も展示。来年3月には、内藤を題材とした漫画展示も予定している。
内藤は24年、米国留学で乗った船でトランクが破損した体験が基になった「架構建築耐震構造論」を発見。東京タワーや大阪通天閣などの設計を手がけて「塔博士」と呼ばれた。
富士川町出身の作家江宮隆之氏著の冊子「東京タワーをつくった男・内藤多仲」を原作に、南アルプス市出身の漫画家花松あやか氏の漫画「東京タワーをつくった人 内藤多仲」が来年3月に完成予定。製作をきっかけに内藤について理解を深めてもらおうと、市立図書館が企画した。
展示は構造論の着想を得たトランクや、内藤が愛用していた眼鏡や計算尺、東京タワー建設時の記録を残した日記帳などが並ぶ。学生時代のノートや教科書も置いている。
センター出入り口には、内藤が50~60年代に設計した東京タワーや大阪通天閣、博多ポートタワーなどの「タワー六兄弟」の高さを比較したパネルを設置している。
展示は来年9月16日まで。入場無料。午前9時半~午後7時(土日祝日は午後5時まで)。
(山梨日日新聞 2023年10月26日掲載)