2023.9.13 News /

「糸静線」成り立ち説明 早川で講演会観光資源活用探る

糸魚川-静岡構造線をテーマに開いた講演会=早川町役場

 本州中部を縦断する大断層「糸魚川-静岡構造線」を早川町の観光資源として活用しようと、同町のNPO法人「日本上流文化圏研究所」は9日、町役場で講演会を開いた。専門家らが構造線の成り立ちや誘客に向けた活用方法について語った。
 「南アルプス・早川渓谷沿いの自然~その魅力と価値~」をメインテーマに、山梨県立大の輿水達司客員教授、富士川砂防事務所の藤平大所長、南アルプス国立公園レンジャーの藤田和也さんが講演。町内外から34人が参加した。
 輿水客員教授は、日本列島がプレート同士の衝突によって形成され、構造線がプレートの境界に当たることを説明した。藤平所長は同町赤沢の「栃原堰堤」で構造線の露頭が見られることを紹介。藤田さんは町内を縦断する構造線を誘客の材料とするために、「構造線をはじめとする豊かな自然と人々の営みのつながりを見直すことが重要だ」と訴えた。
 研究所は6月、構造線の保護や観光分野での活用方法を町に提言する「糸魚川-静岡構造線資源活用プロジェクト委員会」を設立。講演会は、構造線の紹介を目的に初めて開いた。

(山梨日日新聞 2023年9月13日掲載)

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