2022.6.15 News /

南アルプス国立公園 拡張検討

環境省希少種保全を強化

 環境省は14日、南アルプス国立公園(山梨、長野、静岡)を公園範囲拡張の候補に選んだと発表した。ライチョウやチョウ、高山植物など希少な動植物の保全を強化するためで、2030年までの拡張を目指す。一方、専門家からは「範囲を広げるだけでは保護にならない。獣害対策を優先すべきだ」との指摘もある。

 環境省によると、南アルプス国立公園は10年に、ほかの全国の国立公園など十数カ所とともに、範囲拡張の候補に選定。以降、環境省は地元3県や土地所有者らと拡張に向けた協議を進めてきたが、「複合的な要因で時間がかかっている」(環境省)という。継続案件として改めてリストアップし、拡張に本腰を入れることにした。

 計画では引き続き、自然環境や生態系、動植物の分布状況などを調査。結果を踏まえ、拡張の可否や具体的な範囲を判断するという。

 南アルプスは、1964年に国立公園に指定された。総面積は3万5752ヘクタール。特別地域や、より管理が厳しい特別保護地区などに分かれている。ライチョウやクモマツマキチョウなど希少な生物が生息し、キタダケソウやチョウノスケソウといった高山植物も自生している。

(山梨日日新聞 2022年6月15日掲載)

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