南アルプス・芦安に自然保護官着任 広がるシカ食害に対応 環境省

 環境省は1日、山梨、静岡、長野3県にまたがる南アルプス国立公園を管理する「南アルプス自然保護官事務所」を、南アルプス市芦安支所内に開設した。専任の自然保護官が常駐し、同公園内の管理や貴重な野生動植物の保護活動などを行う。

 同省によると、県内では富士五湖自然保護官事務所に次ぐ2カ所目。これまで富士箱根伊豆国立公園の自然保護官が管理を兼務していたが、南アルプスの広範囲でシカによる高山植物への食害が深刻化したことや南アルプス世界自然遺産登録推進協議会の要望を受け、開設した。

 執務室は同支所2階の旧芦安村議会議員控室を改装。宮沢泰子自然保護官(29)が常駐する。また同日付で静岡市と長野県伊那市にも事務室を開設し、宮沢自然保護官が定期的に巡回する。

 開所式で宮沢自然保護官は「役割の重さを実感している。地元住民と連携しながら期待に応えられるよう頑張りたい」とあいさつし、関係者と看板の除幕をした。

【写真】南アルプス自然保護官事務所の看板を除幕する関係者=南アルプス市芦安支所

(2008年10月2日付 山梨日日新聞)

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