2021.1.29
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山岳遭難件数、コロナ禍映す
県警 、昨年の統計
山梨県警が28日発表した昨年1年間の事故や犯罪、山岳遭難などのまとめによると、多くが前年より大きく減少し、新型コロナウイルス感染拡大の影響を色濃く映した。
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2020年の山岳遭難は、発生件数が前年比54件(32.7%)減の111件、遭難者が53人(28.6%)減の132人で、過去5年で最も少なかった。昨年夏は新型コロナウイルスの影響で富士山の吉田口登山道が閉鎖されたほか、南アルプス・北岳周辺の登山道が利用禁止となるなどし、登山者が減少し遭難の減少につながったとみられる。
一方、政府の観光支援事業「Go Toトラベル」の対象に東京発着の旅行が追加されるなど、人の流れが活発化した10、11月は遭難件数が増加し、全体の4割余りを占めた。特に11月の遭難件数は30件と、過去10年で月別としては最多だった。
また、例年は転倒や滑落が多いが、昨年は道迷いが最も高い割合を占めた。登山計画書の提出は遭難者全体の2割にとどまり、準備不足が原因とみられる遭難が多かった。
(山梨日日新聞 2021年1月29日掲載)