高山植物の食害対策を環境省などに要望 南アルプス世界自然遺産登録推進協議会 

 山梨、静岡、長野3県の関係10市町村でつくる南アルプス世界自然遺産登録推進協議会(会長・小嶋善吉静岡市長)は21日、環境省などに対し、世界遺産登録に必要な自然環境保全の取り組みとして、南アルプスで深刻なニホンジカによる高山植物の食害対策や南アルプス国立公園計画の見直しなどを要望した。

 7月に静岡市で開いた南アルプスサミットで世界遺産登録推進アピールを採択したのを受けての要望活動。小嶋会長のほか、今沢忠文・南アルプス市長、小坂樫男・長野県伊那市長の同協議会両副会長が同省と林野庁を訪問した。

 同省では田村義雄事務次官らと面会。要望書を手渡し「世界自然遺産への登録に向けて問題や課題が山積している」と訴えた。

 要望は(1)食害対策(2)同国立公園の公園区域と公園計画の見直し(3)自然保護官事務所の設置と専任自然保護官の配置(4)エコツーリズム推進法に基づく国の支援策の拡充-の四項目。出席者によると、食害対策で田村事務次官らは現状調査の必要があるとの認識を示した。

 一方、山梨県の連絡協議会は本年度中に南アルプスに関する講演会を開く。

(2007年11月22日付 山梨日日新聞)

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