広河原への通行規制を決定
北岳周辺登山道も禁止
南アルプス山岳交通適正化協議会(会長・金丸一元南アルプス市長)は2日、南アルプスの広河原に通じる県道と林道について、今夏は通行止めとすることを決めた。北岳周辺の県が管理する登山道についても、山小屋の休業で安全な登山ができないとして利用禁止を決めた。
南アルプス市内で会合を開き、6月中旬の作業部会の際に新型コロナウイルスの影響で「バス、タクシーの3密問題を解消できない」「救助活動が困難」などの意見が出たことを県が報告。市営山小屋が営業しないことを決めたことを踏まえ、登山道の利用禁止やマイカー規制を行わないことを提案し、決定された。
通行止めとするのは、林道南アルプス線(夜叉神-広河原、14キロ)と、県道南アルプス公園線(早川町奈良田-広河原、18キロ)の2ルート。いずれも現在は冬期閉鎖中で、今夏は7月23日から11月3日まで路線バスやタクシーに限って通行を認めるマイカー規制を実施する予定だった。林道は、登山道の利用禁止に伴う通行止め。県道は、崩落箇所の工事を行うために通行止めにする。
利用禁止とする登山道は、白鳳峠歩道、広河原-中白根歩道、両俣歩道の北岳周辺の3ルート。山小屋や救護所などの休業で登山の安全を確保できないことが理由とした。
登山道の分岐点など9カ所に、登山道利用禁止を伝える案内板を設置するほか、登山道の点検パトロールを行うことなどを県が報告した。
(山梨日日新聞 2020年7月3日掲載)