2020.3.24 News / 山小屋 /

南ア市営山小屋、値上げへ

4月から5施設で

 南アルプス市は4月から、南アルプスの山岳地域にある市営山小屋の利用料金を値上げする。物資空輸の経費がかさみ、台風などの影響で宿泊する登山客が減少していたことから、サービス維持と安定経営のため改定。大人の寝具付き素泊まりで千円前後のアップとなる。

 市観光商工課によると、市営の山小屋は北岳山荘、広河原山荘、白根御池小屋、長衛小屋、両俣小屋の5施設で、北岳山荘以外は指定管理者が運営。条例で定めた利用料の上限は2007年度以降、14年と昨年の消費増税分の値上げにとどまっていた。

 山小屋への物資はヘリコプターで空輸していて、近年は輸送料金が上昇している。また、昨年、一昨年と台風で登山道が破損するなどの被害が続き、登山者が減少して収入が減るなど経営に影響が出ていた。

 同課は「登山者のため値上げを控えてきたが、サービス低下を招かないために踏み切った」とする。

 新料金は大人の寝具付き素泊まりが北岳山荘7千円、広河原山荘6千円、白根御池小屋6500円、長衛小屋6200円、両俣小屋5200円となる。両俣小屋は台風被害が大きく、5月中に現地調査をして営業するかどうかを判断する。

 一方、昨年の台風19号で歩行不能になった登山道のうち、広河原~大樺沢二俣間、長衛小屋~仙水小屋間は7月中旬に復旧予定。治山運搬路終点~両俣小屋間は復旧未定で、5月上旬に調査する。両俣小屋~左俣大滝~中白峰沢の頭間は、当面通行止めとなる。

(山梨日日新聞 2020年3月24日掲載)

月別
年別