「甲斐百山」の魅力紹介
山岳会支部が選定、書籍に
日本山岳会山梨支部(深沢健三支部長)は、「山梨百名山」とは別に選定した「甲斐百山」を紹介した書籍を出版した。山容の美しさや住民生活との関わりなどの観点で選んだ、標高数百メートルの里山から3千メートル級の高山を紹介。県内外の山岳会などに配布し、市販では完売した。2月中の増刷を予定している。
支部創立70周年の記念事業。知名度が高い「日本百名山」や「山梨百名山」に入らない山に目を向け、より多様な山の魅力や価値を知ってもらおうと企画し、支部の機関誌「甲斐山岳」の第11号別冊として刊行した。
支部会員の推薦を基に約140の山を登って調査。山容の美しさや森林、谷など地形的な特徴に加え、炭焼きや信仰登山など住民生活との関わりの深さなど多角的な観点から100の山を選んだ。
整った台形で、高山植物や周囲の眺望にも恵まれた高嶺(北杜市、南アルプス市)や、奥秩父山系の最高峰でありながら、注目されることが少ない北奥千丈岳(山梨市)などを掲載。写真付きで登山史や登山道の特徴、周辺の史跡などを紹介している。A5判208ページ。
初版の400冊は県内外の山岳団体や図書館に配布。店舗や同支部を通じた販売も行い、完売した。増刷を求める声が多いことから、記念事業とは切り離した公益事業として、追加で300冊の印刷を決めた。
同支部は「山梨には歴史的、文化的価値のある山が数多くある。書籍を通じて県内の登山振興に貢献したい」としている。
県内のアウトドアショップや書店で1650円で販売する。支部を通じた購入は1500円。申し込み、問い合わせは支部事務局、電話090(4539)3059。
(山梨日日新聞 2020年1月30日掲載)