2020.1.19 News /

南アエコパーク保全を

登録5年、高校生ら研究発表 「ツツジ減、土壌酸性化で」

エコパークに関する研究結果を発表する韮崎高環境科学部の生徒=東京エレクトロン韮崎文化ホール

エコパークに関する研究結果を発表する韮崎高環境科学部の生徒=東京エレクトロン韮崎文化ホール

 北杜、韮崎、南アルプス、早川の4市町でつくる「南アルプスユネスコエコパーク県連絡協議会」(会長・渡辺英子北杜市長)は18日、東京エレクトロン韮崎文化ホールで、地元団体による環境保全活動や研究の発表会を開いた。韮崎高環境科学部は、甘利山でレンゲツツジが減少している原因について研究。現地調査などの結果、「土壌の酸性化が進んでいるため」などと成果を報告した。

 南アルプスのエコパーク登録5周年を記念し、知名度や環境保全に対する意識を高めようと企画。約160人が来場した。

 韮崎高は地元の甘利山を調査し、「貴重なレンゲツツジが20年前と比べて減少している」と指摘。土壌のpH測定値を示し、「植物が微生物に分解されて腐植が進んだことで腐植酸が増加し、土壌の酸性化が進行していることが原因として考えられる」などと説明した。

 白根高自然科学部は、櫛形山に分布する、国と県が絶滅危惧種に指定しているスルガヒョウタンボクの生育状況について調査。「設置した防護柵付近で葉の枚数は微増したが、柵がない場所は0枚になった。防護柵は保全に有効」などとした。

 巨摩高自然科学部は櫛形山の植生の変化について説明。航空測量会社「アジア航測」、NPO法人「早川エコファーム」も環境保全や地域活性化の取り組みについて発表した。

 会場ではこのほか、韮崎工高太鼓部や、北杜ふるさと親善大使でシンガー・ソングライターのericaさん、音楽ユニット「風カヲル時」によるコンサートがあった。

(山梨日日新聞 2020年1月19日掲載)

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