輪かんじき作り後世へ
芦安中生にNPO指南 地域の工芸品、卒業祝いに
南アルプス・芦安中(石原敬彦校長)の全校生徒19人は、積もった雪の上を歩く道具「輪かんじき」作りに取り組んだ。かつて芦安地区で盛んに作られた工芸品で、作り方を再現したNPO法人芦安ファンクラブ(清水准一会長)のメンバーが指導。完成した輪かんじきは、3年生に卒業祝い品として贈られる。
今年で2回目で、9月末の芦安PTA学校林の間伐と枝打ち作業からスタート。生徒はヒノキの枝を切り、校庭の池に沈めていた。11月22日に、水を吸って軟らかくなった枝をU字形に曲げて針金で固定。乾燥させた後、28日に組み立てに取り組んだ。
設計図を基に、U字形の枝二つを楕円形に組み合わせ、両側にミズナラで作った「歯」を付け、縄で縛って仕上げた。生徒たちはメンバーの指導を受けながら、のこぎりやのみを使って枝を切ったり、削ったりする作業に熱中していた。
作った輪かんじきは、卒業式で3年生5人と、定年退職を迎える石原校長に贈られる予定という。
同法人によると、輪かんじきは大正から昭和初期、同地区で登山案内人の冬場の仕事として盛んに作られた。品質が高く、ヨーロッパにも輸出されていたという。清水会長は「地域の優れた工芸品として、若い人たちに作り方を伝えながら、後世に残していきたい」と話していた。
(山梨日日新聞 2019年12月13日掲載)