北岳の自然 Tシャツで訴え南アの小規模作業所 動植物印刷し話題に

南アルプス市下今井の心身障害者小規模作業所「わかくさ作業所」(山田もとゑ所長)が、北岳の固有種・キタダケソウをはじめ、絶滅の危機にひんしているライチョウ、ホテイアツモリの写真をプリントしたオリジナルTシャツを製作、販売し話題になっている。今夏だけで700枚以上が売れ、現在は秋冬用の長袖Tシャツを製作中。売り上げの一部は近く市に寄付し、南アルプスの自然保護に役立てる考えだ。

6月、市が南アルプスの世界自然遺産登録を目指すことを知った山田所長が「キタダケソウなどの保護を訴えるTシャツで、世界遺産登録に少しでも協力したい」と、県障害者福祉協会や同市福祉課などの助言も受けながら製作を始めた。

知り合いの業者に無地のTシャツの仕入れと印刷を依頼し、「南アルプス」のロゴと写真が入った白や黒、黄、ピンクなど計7種類のTシャツを完成させた。作業所では、所員たちが袋詰め作業をしている。

7月下旬から、同市商工会の管理施設で販売したところ、口コミで人気が広がった。グループで一括購入するケースもあり、受注に生産が追いつかない状況。市内の中学生が海外の姉妹都市への訪問時に土産にしたり、バレーボールの全国大会に出場する市内の婦人チームが着用するなど、南アルプスのPRにも一役買っている。

Tシャツの生産はいったん終え、今後は秋冬用に長袖のロングTシャツを生産、注文でトレーナーとパーカーも販売する。南アルプス山系をデザインしたイラスト入りや英語のロゴ入りなど、若者向けのデザインも新たに採り入れている。

「多くの人の協力で実現できた。Tシャツで自然保護の輪が広がってくれればうれしい」と山田所長は話している。Tシャツの問い合わせはわかくさ作業所、電話055(282)7388。

【写真】わかくさ作業所が作った南アルプスの自然保護を訴えるTシャツ=南アルプス市下今井

(2006年10月13日付 山梨日日新聞)

月別
年別