2006.7.14 News / 登山 / 人物・団体 /

山岳遭難救助43年 警察庁長官から協力章 南アルプス・広河原山荘の塩沢久仙さん

 南アルプスで長年にわたり遭難者の捜索・救助や山岳事故防止活動に尽力したとして、広河原山荘管理人の塩沢久仙さん(63)=南アルプス市上今井=が13日、県警本部で、警察協力章の伝達を受けた。山の知識と経験を生かし、北岳などで遭難事故があるたびに献身的に捜索や救助に当たってきたことが評価された。

 塩沢さんは1965年、23歳で夜叉神峠小屋の管理人に、85年から広河原山荘の管理人になった。2003年には南アルプス市芦安山岳館の館長に就任している。

 63年に県山岳遭難救助対策協議会南アルプス支部の山岳救助隊員になって以来、約43年間にわたり、北岳をはじめ標高3000メートル級の山々で発生した山岳遭難の捜索・救助活動に参加。登山道整備や安全登山指導を行い、登山者の事故防止にも貢献した。

 伝達式で篠原寛県警本部長から感謝状を受けた塩沢さんは「安全に登ってほしいという思いで活動してきた。不幸にも遭難してしまった人の救助に当たるのは、山にかかわる人間として当然のこと」と謙そんしながら、「遭難救助は1人ではできず、大勢で1人の命を助けるもの。私が章をいただいたことで、一緒に仕事をしてきた人たちにも励みになる」と話した。

 警察協力章は長年にわたって警察活動に協力し、多大な功労があった人に警察庁長官から贈られる。山岳救助活動が認められての受章は県内では初めて。

【写真】警察協力章を受ける塩沢久仙さん(左)=県警本部

(2006年7月14日付 山梨日日新聞)

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