芦安の今昔マップに
地元住民グループ作成 記憶の中の暮らし紹介も
芦安の将来を考える会(かたくりの会、森本章雄会長)は、南アルプス市芦安地区の今と昔をまとめた「芦安今昔まっぷ」を作った。観光マップにあまり載らない地元ならではの歴史スポットを紹介するとともに、地元住民が覚えている「昔ネタ」を盛り込んでいる。
マップは折りたたんだ状態でA5判。広げるとA2判になる。片面は同地区の地図が描かれ、寺があったとされる沢「寺ん沢」、養蚕農家が繭玉を保存した「風穴」、出征兵士を送り出した「万歳河原」など、14カ所を写真付きで紹介している。
また、矢印で場所を示して「ほったらかしの無人露天風呂があった」「スケートリンクがあり下駄スケート靴で滑った」「粘土の土が取れて、学校の授業で取りにいくのが楽しみだった」など、住民の記憶に残る昔の情報も豊富に記している。
反対面には「御勅使川の洪水」「南アルプス林道開通」「芦安の暮らし」などを昔の写真を使って紹介。手打ちそばや「しょうゆの実」などの郷土食、芦安地区の方言についても掲載している。
メンバーの高齢化が進んでいることから「昔のことを知っている人がいるうちに後世に残したい」と企画。千部作成し、同地区に全戸配布した。同会は「子どもや若い人たちに見てもらい、地域について知る機会にしてほしい」としている。
(山梨日日新聞 2019年5月20日掲載)