2019.2.20
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北岳山荘、県が改修へ
南ア登山の拠点 黒川紀章氏設計を尊重
県は来年度、南アルプス・北岳山頂近くにある北岳山荘の改修に着手する方針を決めた。老朽化した屋根の張り替えや屋外にある浄化槽改修を行う予定で、期間は4年程度を見込んでいる。県観光資源課は「北岳山荘は南アルプス登山の重要拠点。登山者が安心して快適に利用できる施設にしたい」としている。
同課によると、北岳山荘は1978年に開設。鉄骨2階建て(延べ床面積約540平方メートル)で、150人を収容する。建築家の黒川紀章氏が設計した。赤い屋根が特徴で、光を取り入れやすいように多くの窓が設置されている。老朽化に伴い屋根の雨漏りが確認されていることなどから改修を決めた。
改修の主な内容は屋根(約280平方メートル)の張り替えのほか、屋外浄化槽の改修、非常階段の増設などを見込んでいる。県は2019年度の一般会計当初予算案に浄化槽改修に関する基本計画の策定費として1126万6千円を計上。20年度以降に建物と屋外浄化槽の改修の実施設計を策定し、改修工事を行う予定。
北岳山荘は、北岳や間ノ岳などへの登山者が利用している。県から借り受けて施設を管理する南アルプス市によると、13~17年度の宿泊客は8千~9千人程度。本年度は台風や猛暑の影響もあり、6519人とやや下回った。
同課は「北岳山荘の改修はおよそ10年ぶり。建築物としての特徴もあり、黒川氏のデザインを尊重しながら改修に取り組んでいきたい」としている。
(山梨日日新聞 2019年2月20日付)