保護の必要ある動植物候補 44種挙がる キタダケソウやライチョウ 県と委員会が絞り込みへ

 希少動植物の重点的な保護策を検討している「県希少野生動植物保護対策検討委員会」が28日、県庁で開かれ、県レッドデータブックをベースに、特に保護する必要がある動植物の候補44種を挙げた。県と検討委は来年度、保護種の最終的な絞り込みを進め、条例化を視野に具体的な保護策を定めることにしている。

 候補となったのは、県レッドデータブックの絶滅危惧(きぐ)1類にランクされている種が中心。植物、鳥類、昆虫などの各部会が、県内の生息状況を詳細に調査した上で、捕獲や採集で減少しつつある種や、国内での主要な生育・生息地が県内にある種を抽出した。

 植物は、キタダケソウやキタダケキンポウゲなど高山植物のほか、富士五湖周辺に自生するヒメマツカサススキなど34種が候補。鳥類は、北岳での生息が確認されているライチョウなど8種、昆虫類では里山に生息するクロシジミなど2種を候補に挙げた。

 ほ乳類は、候補種が多かったことからさらに絞り込みを進める。また、両生類、は虫類、魚類は候補種がなかった。

 県と検討委は候補種について、採集や売買規制のほか、生育・生息地の保全、保護対象種の監視などの対策を検討する方針だ。

 この日の会合には各分野の専門家ら約20人が出席。委員からは「採集禁止といった一律規制だけではなく、生息しやすい環境整備の方法を種ごとに検討する必要がある」などの意見が出た。

(2006年3月29日付 山梨日日新聞)

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