来月ヒマラヤ2峰にアタック 加藤(南ア出身)、天野(甲州出身)さん  無酸素、難ルート選ぶ

 南アルプス市出身の加藤慶信さん(30)と、甲州市出身の天野和明さん(29)が4月14日から、ヒマラヤ連峰のチョーオユー(標高8,201メートル)とシシャパンマ(同8,013メートル)の登頂に挑む。2人ともヒマラヤ登山の経験はあるが、両峰はまだ登頂したことがなく、「質の高い登山を目指して難しい方法で挑戦する。楽しみながら無事に登頂したい」と意気込んでいる。

 加藤さんと天野さんは明治大山岳部のOBでつくる炉辺会メンバーで、同会は2003年にヒマラヤの8000メートル級の全14峰の登頂に成功した。加藤さんは5峰、天野さんは4峰にメンバーとして登頂したが、チョーオユーとシシャパンマは登頂の機会がなかった。

 今回は一般のルートではなく、より難易度の高いバリエーションルートを選択。無酸素で挑む。

 加藤さんは昨年5月、無酸素でエベレスト初登頂を果たした。「酸素不足の影響で下山中に目が見えなくなり、死にそうな思いをした。鼻は凍傷で今も傷が残る」と振り返り、「今回は無事に下山することを目標にしたい」と話す。

 天野さんは米国などで登山していて、ヒマラヤは03年以来。「2人なので、自由に楽しみながら登りたい」とした上で、「8000メートル以上は植物も動物も生きられない世界。無酸素なのでスピードにも気を配りたい」と抱負を語る。

 2人は28日に成田を出発。4月14日から5月3日にかけてチョーオユー、5月9日から28日までシシャパンマで登山し、6月6日に帰国する予定。

(2006年3月20日付 山梨日日新聞)

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