「県民の森」で自然体験 癒やし空間を提供 南アルプス市が本年度整備 野鳥観察、水辺や森林散策…
南アルプス市は本年度、「櫛形山県民の森」に3つの自然体験ゾーンを設け、野鳥の観察小屋などを整備する。昆虫のすみかとなる広葉樹の植栽も行い環境学習の場として活用。遊歩道も設け、水辺や森林の散策で癒やしを感じてもらう空間づくりを進める。
市みどり自然課によると、北伊奈ケ湖北側を流れる市之瀬川周辺に「やすらぎの清流水生昆虫ゾーン」を設定。壁面に望遠鏡用の穴を開け、ベンチやテーブルを備えた野鳥の観察小屋を2カ所に建設する。
樹齢約80年のヒノキが立ち並ぶ市営施設「ウッドビレッジ伊奈ケ湖」周辺の森は「桧(ひのき)の巨木学習ゾーン」、上市之瀬地区の水源林が広がる南伊奈ケ湖南側の一帯は「命をはぐくむ水源の森・歴史ゾーン」と命名。自然観察のほか、間伐や下草刈りといった林業体験を通して森づくりを学んでもらう。
3つのゾーンそれぞれに国の補助事業を活用した林間活動スペースを設定。ヒノキなど針葉樹の一部を取り除き、カブトムシなどが生息できるようカエデなどの広葉樹を植栽する。森林浴が楽しめるように全長計約2キロの遊歩道も設ける。総事業費は9462万1000円を見込んでいる。
市は「豊かな自然を有効活用し、森の大切さを考える場、人々の癒やしの場としていきたい」(みどり自然課)としている。
【写真】南アルプス市が自然体験ゾーンを設けて整備する「櫛形山県民の森」=南アルプス市上市之瀬
(2005年4月12日付 山梨日日新聞)