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南アルプス市の南アルプス市芦安山岳館は、常設展示コーナーに、俳人高室呉龍(1899-1983年)の俳句と、歌人守山ふみかさん(甲府)の詩を新たに加えた。 高室呉龍は「雲母」の同人として活躍した。展示したのは1967年に息子、孫とともに広河原を訪れた時に作った句。「南アルプス渓谷廣河原小遊」と題して、「北嶽は無縁の高嶺秋の風」「谿谷の秋冷白き石拾ふ」など、11句を自筆でつづっている。 作品を所蔵する塩沢久仙館長が、展示資料として提供した。 一方、守山さんの詩は、南アルプス林道の開設工事で殉職した12人にささげた「黙し偲ばむ(もだししのばむ)」。難工事で命を落とした若者たちへの思いを記した詩で、林道沿いに建つ石碑にも刻まれている。 守山さんの父親が書にしたためた作品で、守山さん本人が昨年、同山岳館に寄贈した。 同山岳館が常設展示する文学作品はこれまで、大町桂月(1869-1925年)が甲斐駒ケ岳の山小屋に、扇子に書き残した俳句の1点だけだった。同山岳館は「今後は文学作品の展示も増やし、幅広く山の文化を伝えたい」としている。 【写真】高室呉龍の俳句(左上)と守山ふみかさんの詩(中央上)を加えた展示コーナー=南アルプス市の南アルプス市芦安山岳館 (2005年1月11日付 山梨日日新聞)