黒い山肌に雪まとう北岳 陽光受け際立つ陰影 やまなし彩時記 冬
南アルプスの北岳(3,192メートル)は、中腹から上部に雪をまとい真冬の姿となった。山日YBSヘリ「ニュースカイ」(NEWSKY)で、高度3,500メートルで山頂に近づく。黒々とした岩の山肌を真っ白い雪が覆うモノクロームの世界が広がる。
東面の大岩壁「バットレス」の岩棚には多量の雪が付着している。りょう線の登山道も雪が覆い、強風で雪面にできる波状の文様が現れている。
北西側に回り込むと、冬の朝日の斜光線で山体の陰影が一層際立ち、りょう線を縁取るように雪が輝く。かなたの雲海の上には富士山が小島のように浮かぶ。
北岳は、今年は10月6日に初めて雪化粧した。広河原山荘の管理人、塩沢久仙さん(61)は「例年は正月ごろまではりょう線の登山道に雪はほとんど積もっていない。今年は雪がやや多い」と話す。3月ごろが積雪量が最も多くなる。
【写真】黒い山肌に雪まとう北岳 山日YBSヘリ「ニュースカイ」(NEWSKY)から空撮
(2003年12月13日付 山梨日日新聞)