2015.7.30 News / 芦安山岳館 /

【南アルプス臨時支局】<登山日記>やっぱり「山はいい」

間ノ岳山頂から見た甲斐駒ケ岳(左奥)と北岳(右)

北岳山荘(右下)から北岳(中央)に続く稜線。快晴の時は頂上や登山道の様子がはっきり確認できる=南アルプス・北岳山荘周辺

「山はいいよね」。2日間の南アルプス臨時支局での取材活動を終えた22日、下山前に北岳山荘の前でそびえ立つ北岳を眺めていると、お世話になっている小屋の関係者に声を掛けられた。ちょうど自分の中にこみ上げてきた思いを代弁してくれていた。「はい、やっぱりいいですね」。一言返しただけだったが、心が和んだ。

臨時支局での取材は昨年に続いて2回目。今回は初日から晴天に恵まれ、北岳から間ノ岳までの縦走では雄大な景色を存分に味わえた。夜叉神から広河原までの区間がマイカー規制となる「林道南アルプス線」が土砂崩落で通行止めだった昨年と比べると、登山者は目に見えて多く、夏山シーズンならではのにぎわいが戻っていた。

一番の収穫と言えば、快晴の下で間ノ岳に登れたこと。6年ぶりだったが、山梨、静岡の県境に位置する間ノ岳の頂上からは塩見岳、赤石岳など南へ連なる南アルプス山脈の長大なスケールを感じることができ、天候に心から感謝した。

小屋の関係者と別れ、同僚と広河原を目指したが、間もなく雲行きは怪しくなり、あっという間に降雨に見舞われた。稜線から白根御池小屋に下りきった時はずぶ濡れに。自然の美しさと厳しさをあらためて知った2日間だった。

2015年7月30日付 山梨日日新聞掲載

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