2016.7.18 News /

甲斐駒の自然継承へ 開山200年、北杜で記念シンポ 三浦さん講演「山からパワー」

 南アルプス・甲斐駒ケ岳の開山200周年を記念したシンポジウム(甲斐駒ケ岳開山200周年記念事業実行委員会主催)が16日、北杜市の甲斐駒センターせせらぎで開かれた。登山家三浦雄一郎さんが基調講演で登山の魅力を伝え、パネルディスカッションで保全や利活用について考えた。

 市内外から約300人が参加。三浦さんは「南アルプス・甲斐駒ケ岳を見上げて」と題して講演。甲斐駒ケ岳を「大変険しい山」と紹介し、「南アルプスや八ケ岳がある北杜市は世界最高峰の山岳環境だ」と称賛した。

 これまでの山岳経験を中心に自身の半生も紹介。80歳でエベレストを登頂したことに触れ、「心臓の不整脈などで体は万全ではなかったが、山からパワーをもらい何とか登り切ることができた」と説明。「山は生命力をぐんぐん上げてくれる究極のアンチエイジングだ」と語った。

 パネルディスカッションは、白倉政司市長や同市在住の登山家花谷泰広さん、甲斐駒ケ岳に関する著書を出版している宮崎吉宏さん、南アルプス国立自然公園指導員の遠山若枝さんがパネリストを務めた。花谷さんは「住民一人一人が自分が好きな山を一つ決めてホームマウンテンとして大切にしていけば、豊かな自然を将来に引き継いでいける」と提言。白倉市長は、南アルプスが国連教育科学文化機関(ユネスコ)の生物圏保存地域「エコパーク」に登録されたことを踏まえ、「エコパークの自然を守り、どのように利活用していくのか考えていかなければならない」と話した。

 (山梨日日新聞 2016年7月17日付)

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