2015.4.03 News /

山梨は100山、123ヵ所 登山ルート難易度ランク付け

 山梨県が検討を進めている、山々の登山ルートを難易度ごとに分ける「グレーディング(ランク付け)」で、対象とする山は100、登山ルートは123カ所とすることが1日、県への取材で分かった。グレーディングは長野県が昨年初めて公表し、新潟、静岡の両県でも実施する。中高年や初心者らの山岳遭難事故の続発を受け、体力や技術に見合った山を選んでもらう取り組み。夏山シーズン前の6月をめどに公表する方針。

 山梨県観光資源課によると、県内では金峰山、雲取山など山梨百名山を対象に難易度を定める。富士山は山梨、静岡両県にまたがるため、両県で調整して検討中。

 グレーディングは、目的地までの時間や標高差を基にした「体力度」と、登山道の険しさや道迷いの危険性を表した「技術的難易度」を、夏季を中心にした積雪がなく天気がいい条件の下でルートごとに示す。体力度は、日帰りが可能な1から数泊が必要な10までの10段階、技術的難易度は、登山道が整備された初心者向けのAから転落や滑落の危険が高い上級者向けのEまでの5段階に分ける。

 同課や長野県によると、昨年5月に長野市で開かれた中央日本4県サミットで、4県がグレーディングの作成方針を確認。4県合計で約300の山の約400ルートを予定している。

 4県には富士山や甲斐駒ケ岳、蓼科山、妙高山をはじめ、作家の故・深田久弥が挙げた日本百名山の4割強が集中。岐阜県など参加を検討している自治体もあり、同様の取り組みはさらに広がりそうだ。

 グレーディングの内容はインターネット上などで公表する。同課担当者は「登山者に力量に合った山を選んでもらうことで、遭難の防止に役立てたい」と話している。

 (山梨日日新聞 2015年4月2日付)

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