2015.3.14 News /

南ア貫通トンネル契約手続きを開始 JR東海、3県で山梨が初

 2027年にリニア中央新幹線(東京・品川-名古屋間)の先行開業を目指すJR東海は13日、南アルプスを貫通する全長約25キロのトンネルの山梨県側工事の契約手続きを開始した。県内で契約手続きを開始したのは初めて。地下深くを掘削する長大トンネルで高い施工技術と長期の工事期間が必要なため、優先的に着手したとみられる。

 同社が同日、公表した工事の発注予定情報によると、南アルプストンネルの山梨工区は、早川町のトンネル出入り口から山梨・静岡の県境付近までの本線トンネル約7・7キロ、非常口などを建設する。

 同社によると、秋ごろをめどに施工業者と契約を結び、地元への工事説明会を経て実際の工事に着手する。工期は契約締結の翌日から25年10月末まで。山梨、静岡、長野の3県をまたぐ南アルプストンネルで契約手続きを開始したのは山梨県が最初となる。

 南アルプスは最深部で地下1千メートル以上の区間を掘削するなど難工事が予想される。山梨側は地質調査に使った作業口があり、早期着手の環境が整っているという。

 契約手続きは技術提案、価格などを総合的に評価する「公募競争見積もり方式」を採用。単体業者や共同企業体(JV)が対象で、深さ400メートル以上のトンネル工事など過去の施工実績を参加資格とした。

 (山梨日日新聞 2015年3月14日付)

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