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国連教育科学文化機関(ユネスコ)の生物圏保存地域「エコパーク」登録を受け、南アルプス市は新年度から、「南アルプス市芦安山岳館」(同市芦安芦倉)をエコパークの拠点施設として活用する。構成する山梨、長野、静岡3県の構成10市町村全体の情報発信などを行い、専用の事務所も置く。また、指定管理者を導入していた施設の運営について、市の直営に戻す。 市ユネスコエコパーク推進室によると、市は10市町村で構成する南アルプスのエコパークの事務局を担当。発足以来、市役所の推進室内に事務局を置く。今後のPR強化などを含め、専用の事務所を設置できる拠点施設の整備を検討。山梨側の南アルプスの玄関口である広河原に位置し、関連資料が豊富な山岳館が適当だと判断した。 計画では、山岳館を10市町村エリア全体の事務所として活用。全域の問い合わせなどを受け付け、エコパーク関連の展示内容を増やす。山岳館職員のほか、市ユネスコエコパーク推進室職員が週に数日駐在する。 新年度からは運営方式を変更。2010年以降、指定管理者として運営してきたNPO法人「芦安ファンクラブ」への委託期間が3月で終了するのに伴い、市が運営する。「拠点施設としての活動が主となり、市が直接管理運営する方がふさわしいと判断した。イベントや会議などを開く場合、指定管理者に対する手続きが省けるなど自由度が増すメリットがある」(市総合政策部)としている。 同館の職員は館長を含め2人。直営後、館長は市の嘱託職員として継続して採用。他の職員1人も、希望すれば市の臨時職員として採用する方針。15年度の運営費は1047万円。直営化により、職員の人件費を市職員の給与基準に下げることで、約300万円のコスト削減を見込む。 同館は南アルプスの歴史や山岳資料の紹介などを目的に旧芦安村が建設、2003年に開館した。 【写真】新年度からエコパークの情報発信などの拠点施設として活用する南アルプス市芦安山岳館=南アルプス市芦安芦倉 (山梨日日新聞 2015年2月27日付)