南アルプス　エコパーク登録へ申請案 １０市町村提出　世界遺産にらむ

　南アルプス市や北杜市など南アルプス世界自然遺産登録推進協議会に参加している県内外の１０市町村は２日までに、南アルプスを国連教育科学文化機関（ユネスコ）が認定するエコパーク（生物圏保存地域）に登録するため、申請書案を文部科学省に提出した。協議会はエコパーク登録を世界自然遺産登録へのステップと位置づけており、世界遺産登録に向け弾みをつけたい考え。

　申請書案では、エコパークの登録範囲として、南アルプス国立公園を中心に南北約１００キロ、東西約６０キロのエリアを指定。動植物リストを入れ、エリア内では固有植物であるキタダケソウや、生息域の南限となっているライチョウなど貴重な生物が多く見られることを説明している。このほか自然公園法などに基づく管理計画リストなども載せており、文書は約２００ページに上る。

　申請書案は当初、２月に文科省のユネスコ国内委員会事務局に提出する予定だったが、提出書類の形式が変更されたため４月中旬にずれ込んだ。今後は同委員会の審査で認められれば、文科省がユネスコに正式な申請書を提出。国内６件目のエコパーク登録を目指している。

　協議会は昨年、エコパーク登録を世界自然遺産登録のステップと位置づけ、登録を申請することを確認している。協議会の事務局がある南アルプス市みどり自然課の担当者は「エコパーク登録に向けての取り組みを進め、世界自然遺産登録を目指す活動に生かしたい」と話している。

　（山梨日日新聞　2013年5月3日付）