南アルプス安全願い「蔓(つる)払い」 拠点・広河原で開山祭

 北岳など3000メートル級の山々が連なる南アルプスの夏山シーズンが幕開けした。登山口の拠点・広河原では30日、開山祭(南アルプス市、市観光協会、南アルプス署主催)が開かれ、「蔓(つる)払い」の儀式で登山者の安全を祈った。

 開山祭には、関係者約120人が出席。NPO法人芦安ファンクラブのメンバーが明治時代の山の案内役に扮(ふん)し、豊かな自然を後世に残すことを宣言。高さ約6メートルに組み上げた蔓をおので切り開いた。

 このほか、夜叉神太鼓の演奏や地元芦安中の生徒による「北岳の歌」の合唱が披露された。祭りの後には手打ちそばや、南アルプス市特産の桃が振る舞われた。

 一方、県山岳遭難対策協議会南アルプス支部と同署はこの日、夏山山岳遭難事故防止指導所を開設。登山者に登山計画書の提出を求めるなど、事故防止を呼び掛けた。また、同署が野呂川広河原インフォメーションセンター内に臨時警備派出所を開設した。

 【写真】山の案内役に扮した地元住民に先導されて蔓の門をくぐる開山祭の出席者=南アルプス・広河原

 (2012年7月1日付 山梨日日新聞)

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