南アNPO 飯舘牛の牧場、11日整備開始牧草種まき 協力募る
南アルプス市のNPO法人「南アルプスファームフィールドトリップ」(小野隆理事長)は11日、福島第1原発事故後に福島県飯舘村の農家から引き取った牛の牧場整備に向けて、牧草の種まきをする。一般市民にも作業協力を呼び掛け、活動の周知を図る。
東日本大震災発生から1年が経過することから、被災地のことを考える機会にしようと計画。牛を飯舘村の農家の元に戻すまでの体制づくりとして、昨年12月下旬に行った牛小屋建築に続いて牧場の整備を行う。
種をまくのは、牛を放牧している市内の遊休農地約5千平方メートルの敷地内。同NPOによると、飯舘牛の雌2頭は現在妊娠中で、今年8月と11月が出産予定になっていることから、より良い条件で放牧できるように牧場の環境を整えるという。
同NPOの小野理事長は「牛の存在を通して、震災を教訓にすることの大切さを伝えたい。今後も血統を残すための努力を続けていきたい」と話している。
種まきは、11日午前10時、午後1時の2回に分けて、同市湯沢の放牧地で行う。画家ミレーの作品「種をまく人」にちなんだイベントもある。問い合わせは同NPO、電話055(282)6267。
【写真】飯舘牛を放牧している遊休農地=南アルプス市湯沢
(2012年3月9日付 山梨日日新聞)